井の中の蛙大海を知らず。
――大変結構なことではないか。井の中には生きるのに必要なだけの快適な環境が整い、自身はそれに満足している。それ以上何を求めようと言うのか。
「そうであろう? ヴィクター青年」
「うるせえ。屁理屈こねてる暇があん
なら、さっさとベッドから出やがれ」
夢の中にしか存在しない“彼”の存在を求めて、井の中に引きこもり続けるリアンは、夢と現実のバランスが取れたその生活を愛していた。
そんな彼女を現実に引きずり出そうとする青年と、夢に逃げ込む臆病者の攻防と、変化のおはなし。全七話、完結済み。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-07-15 21:58:27
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会話率:44%