遠い遠いどこかでいつかあったお話。
大小無数の国と国とに別れ、血で血を洗う戦の続く時代。
同じ国同士の人間が争い、海の向こうからやってきた異国の人間の思惑が絡み合い、妖怪を始めとした魑魅魍魎が跳梁跋扈し、およそ太平の世とは程遠い時代。
更には異界からの侵略者までもが姿を見せて、世界は混沌の坩堝と化して戦の終わりはまるで見えない有様だった。
誰もかれもが神仏に縋って平穏な世を願う中で、争いの続く世を憂い、憤っていたのは人間ばかりではなかった。
はるかな昔に異国からやってきた白い竜シュテルンもまた、末世と化した世界の騒がしさに苛立ちを募らせていた。
そうしてある日、シュテルンは名案を思い付いた。この世界の戦乱を鎮めて、平穏を取り戻す英雄を作り出せばいいと。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-03-07 21:47:24
62839文字
会話率:36%