ある大きな戦いがあった。
人間と悪魔。
神と魔王。
或いは、正義と悪の戦い。
様々な言葉で表現される二つの勢力は長い戦いを繰り広げた。
太古の神話にすら劣らぬ激しい戦い。
互いの存亡を賭けたその争いは、やがて一つの決着を迎える
。
長き戦いに勝利したのは、悪魔だった。
正義は成されず、戦いに敗北した人間は絶滅した。
そして、この地には悪のみが残った。
善悪の概念は崩壊し、あらゆる価値は強弱で判断される。
弱肉強食の理が支配する悪の、悪による、悪の為だけの世界。
この物語に、善人は登場しない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-12 21:00:00
185687文字
会話率:34%
この世界には、超能力というものが存在する。
ある者は炎を操り、ある者は触れるだけで水を凍らせることができる。他の人間にはできない、自分だけの力を持つ者たちが多数いる。
超能力は政府で管理され、能力の概要を登録する義務も存在するほど、社
会に浸透しているものでもある。
主人公の白井星(しらいしょう)は、超能力者の一人。
登録能力は物質の瞬間移動。
特に役立つでもない、誰かが聞けば「珍しい能力だね」の一言で終わるような能力である。
そんな彼は、少しドライで一人を好むところを除けば、特筆することも無いような普通の日常を送り、そして今後もそうするつもりで高校生活を送っていた。
しかし、そんな彼の目の前で、超能力を悪用する大きな闇が動き出す。事件が起こり、たくさんの人が巻き込まれていく。
平凡なはずの日常は崩れ、非日常が平素化していく。そんな状況でも、彼は自分を貫き続ける。これはそんな、どこか普通じゃない意志を持つ少年と、救われたもののお話である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-07 23:00:00
86635文字
会話率:33%