「あんたはなア、貴族の血を継いでるさかいに……」
そう語った婆やは既に亡くなり、男は退屈の日々を過ごしていた。そんな折、彼は夜の街の中に見慣れないバーを見かける。光に導かれるままに中へと入ると、そこには女が佇んでいた。
「あなたには、話して
おかなくちゃ……」
彼はいつしか眠りに落ち、目が覚めるとそこは奈良時代の日本であった。女は、自身の正体が幾千年と生きる狐であることを明かすと、父について徐に語り始める。父とは、日本三代悪人にも数えられる、弓削道鏡であった。なぜ彼は、悪人として語り継がれたのか。天皇とのきずな、鍵を握る和気清麻呂。「宇佐八幡宮神託事件」の真相とはなんだったのか…。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-02 00:53:58
30471文字
会話率:65%
若野清仁三十三歳、一泊五万の旅館に泊まるはずが七九三年にタイムスリップショック。
和気清麻呂と間違われ、桓武天皇と気付かず適当に返答したら平安京遷都という未来を消してしまったんだけど!? 令和のパンフレットからも京都が消滅してしまった! 陰
陽師の力を借りて京都を取り戻せ(じゃないと俺が死ぬ)!
とは言いつつもなかなか事は上手くいかず、あやかしの兎と式神契約してもふもふ癒されスローライフをしてみたり、農民女子と知り合って畑を作ってみたり。いや、そろそろ京都を復活させないといけないな。重い腰を上げ、未来を修正するためどうにか頑張る話。
この作品はカクヨムにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-30 07:00:00
100014文字
会話率:62%
脳梗塞に倒れ歩行の自由を失った白池武雄は、家族と共に足腰守護で信仰を集める京都の護王神社を訪れた。車椅子に座り神前に着いた時、武雄は突然車椅子の手すりを握りしめ、戸惑う家族をよそに体を震わせた。
※自サイト『京都にての物語』からの転載とな
ります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-08-26 23:00:00
3136文字
会話率:26%
被害者のノンフィクション作家・立木源幽の関係する出版社訪問の為に東京を訪れた大分県警の棚橋刑事は私立探偵の大和太郎とともに殺害方法を推理する。そして、真犯人の存在が浮かび上がる。国東半島の古代遺跡をめぐる物語へと展開していく。
最終更新:2009-07-18 12:17:41
32610文字
会話率:16%