天下分け目の戦いから二年が過ぎた。
両親がなく、育ての親も死に、ぶらぶら一人旅をしていた空(そら)は、偶然出会った侍の良明(よしあき)と行動を共にすることとなった。 良明も幼い頃から慕っていた人を戦で亡くし、国元を離れ一人旅をしていたと
いう。
空の中には「海」と名乗るもう一人の謎の少女がいて、彼女は十六夜の日から空が眠っている間に度々入れ替わっていた。その「海」をひたすらに忌み嫌っていた空だったが、良明と出会い、彼が「海」の存在を知ったことから、自然と向き合えるようになる。
苦い記憶を背負ったまま二人は良明の故郷、江戸へ向かう。 そして二人は、絡み合った運命の渦の中へと身を投じていくのだった。
身体は小さいのに態度はでかい空。陽気さの中に影を落としている良明。
彼らの結末に、どうか平穏を。
/// 江戸城で「海」の出現を目の当たりにした二人は、「海」について知るために空を育てた人物に会いに行く。その人がまた少し曲者で……。「二、鎮守の森」連載中。
/// 戦国時代末期の和風ファンタジー。日本史実上の人物も出てきますが、歴史的要素はほとんどありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-09-08 20:00:00
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会話率:51%