なんでか自分語りをしてみようって思う。六つやそこらの、まだ全然ガキの時分に、同い年のガキの恋人――みたいなもんを亡くした。そのガキは俺と「結婚する」もんやって信じてた。その思いについて応えることはやぶさかやなかったさかい、俺は万事オッケーし
てた。せやけどやっぱ、死んでしもたわけや。化けて出てきてくれれば、俺はもっとこう縛られつづけて、そうなったらなったでメッチャ嬉しくて満足してた、きっと、してた。そんな中にあって、社会人をやってるうちに出会ったんがヤマダや。丸顔が愛らしい、ちっこい女なんやけど、コイツがまたしつこくてやな――。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-10 18:04:37
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会話率:55%