時は大正十五年。
東京の出版社が「一冊一円で毎月一冊配本」を売り文句に刊行を開始した安価な文学全集は、日本の出版界に「円本ブーム」をもたらした。
この円本ブームは大阪市の船場で教科書の製造・販売を営む小野寺教育出版にとっても例外ではなく、同
社の企画課は国語系科目のノウハウを生かした児童文学全集の刊行に力を注いでいた。
小野寺教育出版の社長令嬢にしてまだ小学生の善子もまた、この刊行企画に動員されるのだった。
(※ 本作品は、第5回「小説家になろうラジオ大賞」の参加作品で御座います。)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-15 07:44:53
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