庄助が、生きていたと知った安五郎は、誠二郎の裏切りを知る。
本気の誠二郎は、安五郎に攻撃をしかける。
玉助と、付け髷弥平と共に、安五郎の攻撃を躱すばかりの庄助には、戦う得物がない。
間一髪のところを、玉助に救われ、何とか難を逃れた庄助は、闇
に飛びこんだ安五郎に安堵する。
童も美月も無事であると知った庄助は、誠二郎を促して拝田村へ戻ろうとするが、髷を切られた弥平は、怒りが収まらず、庄助の口を借りて敵討ちを主張する。誠二郎は、それを庄助の言葉と受け止め、共に安五郎の後を追う。
竹取の金太郎という、特別な技を持つ安五郎は、滅法強い。庄助が手にした山刀は、簡単に折れてしまう。応戦する誠二郎に、逃げるだけの庄助は安五郎に押されがちだ。
素間の進言によって、間の山の芸人らしく戦った庄助は、安五郎に一矢報いた。逃げていく安五郎を誠二郎が追う。
一連の様子を、昭暝が覗っていることを知った庄助と素間は、朝熊岳のご神木へと、昭暝をおびき出す。昭暝は主様に喰われる。
一件落着を祝って、庄助は古市の備前屋へ招かれる。拝田村の面々、金剛證寺の和尚と三八、誠二郎を招いた宴は、神凪さんの主催だ。神宮の祭主ですらも一目を置く神凪さんは、伊勢の影の実力者と言われる。誰もその正体を知らないと言われる神凪さんは、素間だった。宴たけなわの中、庄助は、想いを寄せる美月が男だったと知って、衝撃を受ける。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-29 12:50:33
19477文字
会話率:32%
弥平(庄助)のつれだと名乗った玉助と共に、件の医者のいる、橋谷家の隠居邸へと向った庄助は、そこで素間の知人、松阪の春庵に会う。春庵から、件の医者の正体を聞き、また、その男はもう、松阪へ移ったと知らされる。
村に戻った庄助は、母と待っていた素
間に、春庵先生から聞いた話をすれば、素間は既に医者の正体を知っていた。間違いで殺された太兵はどうやら、式部の連絡役と思われ、始末されたらしい。
天皇家と将軍家の対立、そこに関わる間諜と、素間の話は剣呑だ。
その昔、天皇家には、八瀬童子という間諜がいたと、語る素間に、突然、つけ髷が庄助の口を借りてしゃべり出した。
死人の付け髷、弥平は八瀬の村人だった。牛谷の童を、八瀬の村はどうするつもりだと、尋ねる素間に、弥平は、八瀬村の事情を語る。
弥平の死の原因を聞いた庄助たちは、庄助を襲った総髪の男の関わりを思い描く。
庄助を救った付け髪おすずは、付け髷弥平と許婚だった。
間の山に神さんの子が宿る。
意味不明の言葉を囁いた素間からは、血の気が失せ、庄助の腕の中で瞼を閉じた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-27 19:17:49
14537文字
会話率:35%
素間の命を受けた庄助は、伊勢の鬼門を守る、金剛證寺を訪れる。三八は金剛證寺の坊主だ。三つで八つを知る三八は、素間が頼みとする手先の一人でもある。
三八から、太兵が会っていた相手の居所を聞いた庄助は、和尚の付け髪を預かって寺を出る。山門を出た
庄助は、付け髪のおかげで階段を滑り落ちる。
腰をやられた庄助は、乞食興行に出るが、降り出した雨にひとり取り残される。
猫のお玉と戻った小屋で、庄助は付け髪様に酒を供える。庄助が、山門の階段から転げ落ちた原因は、付け髪に絡まっていた針にあると理解したからだ。遊女の髪でできた付け髪は、庄助を守ってくれたらしい。
勘違いで、庄助の小屋に乗り込んできた母から、美代の神隠しを知る。拝田の若衆として、捜索に加わりたいが、体重く起き上がれない庄助は苛立ちを感じる。
そこに現れたは、愛しい美月で、庄助は美月に手を引かれて小屋を出る。
いよいよ美月と、と心躍る庄助は、いきなり襲いかかった狐に捕まった。
乳母のおねう、おこうに白装束を着せられた庄助は、付け髷を付けられて御師邸に向う羽目となる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-22 22:22:12
21103文字
会話率:27%