東京都I市にある山吹医科大学附属病院で、当直を務めていた研修医が刺殺体で発見された。看護師のひとりが生前の被害者を最後に見た時刻を証言するが、それは警察が割り出した死亡推定時刻よりもはるかに後だった。若く実直な研修医は死してなお臨床の場に向
かったというのか。
一方そのころ。九相図殺人事件を解決に導いた恒河沙法律は、全国に散らばった四人の実妹を探偵事務所に呼び戻すための行脚から帰還した。一人で帰ってきた法律に籐藤刑事はきびしく詰問する。三人の妹は近く探偵事務所に戻ってきてくれると告げる法律ではあったが、一人の妹からは強く拒絶の意志を示されていた。
「その子はどこでなにをしているんだ」
「東京の大学病院で働いています」
『恒河沙の兄妹』シリーズ長編第二弾。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-20 21:06:07
263570文字
会話率:60%
徳和大学大和田ゼミの九人が謎の失踪を遂げてから半月後、失踪した一人が都内で遺体となって見つかった。一人目の遺体を皮切りに次々と失踪者の遺体が発見される。警視庁との密約を経て捜査に協力することになった探偵恒河沙法律は、遺体が『九相図』に倣って
遺棄されていることに気づく。
一つひとつ謎を解きほぐしていく恒河沙法律。しかし刑事部捜査一課の籐藤剛は、『狂人』なる前評判にそぐわない温厚な探偵に疑問を抱く。恒河沙法律とは何者なのか。そして九人の失踪に隠された真実とは――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-14 14:21:32
205062文字
会話率:54%
全高5メートル前後の人型ロボット『ナインフェイズ・ディアグラム』が広く普及した近未来。
その中で南米諸国と中近東諸国が手を組み『連邦軍』を結成。
豊富な資源と圧倒的な戦力で勢力を拡大していた。
◇
茂苅ツグミは、家庭の事情から3
0も歳の離れた兄となった茂苅タクマを持つ以外は普通の子供だった。
そして、父親でありロボット開発会社『モガリ・アビオニクス』の社長『茂苅 光太郎』からナインフェイズ・ディアグラムの話を聞きつつ、タクマの操縦する試作機を見せてもらい、試作機に搭載するAI『フューネラル』をプレゼントされる。
だが、平和な時間を壊す魔の手は、すぐそこに迫っていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-09 13:00:00
19664文字
会話率:41%