魑魅魍魎が跋扈する世界で名門鵬明《ほうめい》学園に通っている武立虎太郎《たけたちこたろう》。彼は知っている。彼女はもう彼女ではないと。幼馴染みで婚約者であった四条宮柚井《しじょうみやゆい》はもういないと。現在、彼女の体に取り憑き、彼女のよう
に振る舞っている"なにか"は特待生を慕っている。だが、そんなことは虎太郎にとってどうでもよかった。"柚井"のいない世界。そんな世界はもうどうでもいい。彼の心の芯にあるものは"柚井が残した言葉"だけである。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-17 18:38:54
158758文字
会話率:62%