クリスタルガラスで有名な東欧のチェコは、おとぎばなしの国でもある。
小さい頃から聞かされる言い伝えに「チェルト」と呼ばれる悪魔が存在する。庶民はそんな「チェルト」を恐れながらも、時として友人のような関係を持っている。とはいえ、90年代に自
由になってからは資本主義化、近代化、情報化の波が押し寄せ、人々はその忙しさに翻弄されてしまっている。心のどこかには必ずその心は宿っているに違いないのだが。
大学生のナオミは、自分がなんであるかを自問自答しつつ、周りの友人たちと成長していく。そう、チェコのおとぎばなしを背負いながら。そして、それを忘れつつあるみんなと共に。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-11 05:39:11
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