清峰高校の2年生、麻生翔太は、皮肉屋だが仲間を見捨てられない少年。学園祭を1週間後に控えた秋、旧校舎の音楽室で10年前の先輩たちが残した楽譜とカセットテープを見つける。そこから流れる未完のハーモニーと「本音を響かせて」という声が、10人の女
子生徒に奇妙な現象を引き起こす。佐倉美月は声がエコーになり、高橋葵の声は聞こえず、三浦彩花は仲間が見えなくなる。それぞれの現象は、親の圧力、ネットの誹謗中傷、グループの孤立など、現代の思春期の悩みとリンクしている。翔太は、10人のヒロインたちと協力し、現象の謎を追う。音楽室で明らかになるのは、10年前の先輩たちが本音を偽り、互いに「見ず」に解散した後悔。翔太の「俺が見てるぞ」という言葉をきっかけに、ヒロインたちは本音を叫び、葛藤を乗り越える。学園祭のステージで、10人の「本音のハーモニー」が響き合い、現象は消え、絆が深まる。夕陽の校庭で、翔太と10人は「次はどんな本音を歌おう」と笑い合う。誰かが必ずあなたを見ている――そのメッセージが、読者の心に温かい涙を残す。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-04 10:46:36
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