漆黒の髪に、榛色の瞳。
かつて国に災いをもたらしたとされる魔女と容姿が一致する王女ヘーゼルは、魔女と呼ばれ、周囲から嫌厭されていた。
もちろん、血のつながった家族にさえも。
愛などなく、虐げられ続けるヘーゼルはしかしへこたれなかった
。それどころかメイドに扮しては乗り気で掃除をしたり、魔法薬の調合に勤しんだりする変わり者だったのだ。
――そんな彼女に恋の季節がやって来た。
お相手は偶然出会った隣国の皇子レノックス。度々王城の庭園で顔を合わせては徐々に親しくなっていく二人だが、ヘーゼルが魔女と呼ばれているせいでどんなに想い合っていてもレノックスとの結婚は叶わない。
恋を諦めたくないからと試行錯誤していたヘーゼルの元へ、一人の女性が現れる。それはなんと伝説の魔女の亡霊で……?
※この作品は、長岡更紗様主催『ドアマット大好き企画』参加作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-15 12:00:00
20200文字
会話率:28%