「ずっと好きでした! 付き合って下さい!!」
16歳の春。 入学式という心躍る門出で水原千紗は担任となる遠藤春樹と運命的で一方的な再会をした。
生徒と教師の許されるはずのない恋、順調に育まれていく時間。
周囲に認められずとも。
過去に自分を救ってくれた遠藤春樹が水原千紗を忘れていたとしても、彼女は先生との些細な時間に幸せを感じていた。
それなのに……
夏のある日。 いつもと変わらぬHRに突然現れた見知らぬ先生は教壇で生徒に伝えた。
遠藤春樹が事故に遭った。
ほころびる日常、信じていた未来、寝たきりの先生を目覚めさせるべく少女は決意を固めて努力した。
努力して、努力して、努力して……東京の医学部へと進学が決まって、先生のお見舞いで地元を離れることを伝えた少女は。
帰りの交差点でトラックに轢かれた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-27 07:25:26
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会話率:34%
美奈は、ある男の写真展の最終日に、銀座のギャラリーへと出かける。そこには男の人生の魂の記録が、隠喩のように、一枚一枚の展示作品に込められていた。男の名は悠。美奈との出会いはあるジャズ喫でだった。海外の取材旅行から帰ると、いつもそこに立ち寄っ
ては、目立たぬ片隅のテーブル席を選んで作品を広げ、原稿をしたためていた。悠は、大切そうに写真を手に取るたびに、旅先で置き忘れていた捨てやることのできぬ感慨に、一人ふけることになる。美奈はそんな悠の姿に、何か運命的なものを感じ、強く惹かれる。男の人生は、写真の中に収めfられた数枚の絵を通して、不思議な時Kを超えた出会いと別れの物語の中をさまよってきていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-15 19:44:39
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会話率:0%