うっかりあいつが「もし三十になってもお互いに独身だったら、結婚するか、俺たち」
なんてことを言ったから、私は密かに三十になるのを待っていた。でもそんな昔から腐れ縁でずっと一緒だった私たちは、仲良く一緒にトラックに轢かれてしまった。
そして転
生しても奴を忘れられなかった私は、ある日奴が綺麗なお嫁さんと仲良く微笑み合っている場面を見てしまう。
なにあれ! 許せん! 私も別の男と幸せになってやる!
しかしそんな決意もむなしく私はまた、今度は馬車に轢かれて逝ってしまった。
そして二度目。なんと今度は最期の人生をループした。ならば今度は前の記憶をフルに使って今度こそ幸せになる!
しかし私は気づいてしまったのだ。このままいったら、また奴の幸せな姿を見せつけられるのでは?
それは嫌だ絶対に嫌だ。そうだ! 後宮に行ってしまえば、奴とは会わずにすむじゃない!
そうして私は意気揚々と、女官として後宮に潜り込んだのだった。
奴が、今世では皇帝になっているとも知らずに。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-30 21:14:58
125956文字
会話率:26%