主人公はブラック企業に勤めるSEでふるさと納税だけが趣味の低所得で残念な二十三歳。
今日も愚痴を漏らしつつ湿気だらけの狭いワンルームの一室でこたつの中で納税サイトと睨めっこ。そんな彼にとある自治体が目に止まる。
その自治体は異世界
市。
「返礼品が貰える納税額は……百円、安っ」
返礼品は庭付き一戸建ての譲渡とセットで自治体への永住権。その上、引越し費用も自治体持ちで準備金もある。社会人になってから有休消化すらした記憶のない彼はその口実になればと言う一心で納税を決意した。
納税手続きを終え、泥のようにコタツの中で眠りに就いた彼は目覚めと共に久しぶりの感覚に襲われた。
ユサユサと誰かが彼の体を揺する、その振動が部屋に差し込む朝日と一緒になって疲弊した彼に起きろと促す。目を覚ますとそこには見知らぬ美少女の姿があった。
彼は出会った少女からふるさと納税で異世界に移住したこと、そして彼女自身は永住権のために自治体が準備した嫁だと告げられた。彼は異世界市と言う自治体ではなく異世界に納税したこと、そしてその世界では一円が国家予算に相当すると知り低所得者から資産家へと階段を駆け上がった彼に件の美少女はパラサイトと化すも実は彼女は三十九歳のアラフォーだった。
そして永住権は現地の人間と結婚しなくては手に入らない。
彼は真の異世界移住を満喫すべく合コンの中で理想の嫁を手に入れるべく、途中で出会った仲間と共に様々な壁とドンパチ奮闘することとなる。
*合コン開始は3話からです。
マッチポンプ展開は7話からです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-05 18:26:26
181840文字
会話率:41%