ドエム・ブラッドは敗北が知りたい――それもただの敗北ではなく、人生でたった一度しか経験できない敗北だ。
全力を尽くしてもなお理不尽に蹂躙される様な敗北こそが彼が追い求めるもの。
だからこそ、真理に到達した彼は狂気とも言える修行を己に課
し、限界まで自らを追い詰める。
身体を鍛えるという事は「私は貴方に無様に敗北する用意があります」と言っているのと同義なのだ。
――彼はただ敗北するだけの雑魚ではない。
きちんと努力をして、培ってきた実力と自尊心に泥を塗られる準備をする者こそ真の強者、真のマゾ。質の高い敗北への前フリ。
そんな考えのもと真性の変態ドMことドエム・ブラッドは、徹底的に敗北する為に一切の妥協なく狂気とも言える修行をし続けた結果としてある日を境に“至って”しまった。
今さら敗北しようと強者や怪物に突っ込んでも自らが蹂躙する側に回ってしまい、何度も「今度こそは」と期待しては裏切られ、強者の噂を聞き付ける度に「これは来たな!」と嬉々として駆け付けるも、やがてその弱点すら克服してしまい、段々と耳も肥えて「その程度なら俺でもできるし……」となり、最終的には「これで俺より弱いとか有り得ないだろ!!」と理不尽にキレ散らかす様になってしまう。
相手に手加減なしの全力で向かった来て欲しいがため、それとなく大義名分を用意してみたりするも周囲からは進んで圧政に立ち向かう気高き人物、客観的に見て勝ち目のない相手に一人で挑む勇者として見られ、本人も次第にそんな周囲の目を自覚しては「みんなの期待を裏切る様な情けない無様な敗北を晒したいッ!!」と本気の男泣きで悔しがる。
これは、自らの欲望を追い求める過程で周囲を勘違いさせていく一人の変態――英雄の物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-29 00:00:00
68126文字
会話率:40%
二人の女子中学生の切ない青春小説
最終更新:2020-07-06 12:41:44
278文字
会話率:25%
冒険者ギルドエムロード王都支部。
にわかに忙しくなり職員の増員を申請した受付嬢ルキアであったが、怠け者で部下の手柄を得ることしか取り柄のない上司ムヨー・ゴロネールはその申し出を却下した。
「そんな予算はないし、今いる人員でやってよ。不満なら
自腹を切って誰か雇えば?」
などと信じられない言葉を浴びせられたルキアは、ならば、と顔馴染みの冒険者に声を掛けた。
すなわち、生活怪傑ブラウニーズであった……!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-03-28 07:00:00
19381文字
会話率:46%
犬はドエムである。異論は認める。
最終更新:2015-02-07 09:33:11
301文字
会話率:0%
時は室町。
死霊や神を自身に宿し、『舞々』は魑魅魍魎と戦う――
舞々・ひねくれ昼行灯の猿彦は、礼状を届けて欲しいと言う長兄の依頼で市街の寺へ向かう。
自分の運命と向き合う、悲しい出会いが訪れるとも知らずに……
「さあ! そのたぎ
る苛立ちを拳に乗せて、この私に…………ッ!!」
「『兄ちゃん、死んじゃ嫌だよ。大好きだよ』って言え」
「しいは、みんなを助けたい」
猿彦と、そのドエムな兄、ヒス気味シスコンの弟、クーデレ美妹の観世四兄妹に、
怨霊・ヘタレ平敦盛の織りなす、コミカルでちょっとシリアスな物語。
室町活劇、華麗に開幕!
・重複投稿
http://1no10.net/works/ddd/00.html折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-01-13 07:00:00
109459文字
会話率:35%
砂漠の真ん中、辺鄙な土地の道を二人の若い剣士が歩いていた。一方は無口。一方は文句を垂れる美少年。誰から見てもちぐはぐな二人が向かう場所とは一体どこなのか。そして、その風変わりな旅の目的とは……?
最終更新:2013-08-01 15:13:14
13478文字
会話率:56%