春夏秋冬、君を想う。
これは孤独な神と、それに触れた者の物語————。
春の章。
桜の木の下で、誰かを待ち続ける美しい青年。桜の模様が描かれた羽織を纏うぼんやりとした美しい青年は、首に包帯を巻いており、言葉を紡ぐことができな
い。そんな声を失った青年の前に現れたのは、春を告げる神だった。
青年が誰を待ち、なぜ声を失ったのか。
桜の蕾が花開く時、青年の瞳に映るモノとは――――。
夏の章。
村の悪しき風習により、龍神の贄に捧げられた少年。
恵みの雨を降らせるため、村の皆のため、少年は谷の底へと落ちていく。
次に目を覚ました時、見たこともないような美しい青年が傍にいた。
彼こそが谷に棲む龍神であり、この地に水を齎す存在であった。
しかし龍神が存在していながら、なぜ村に雨が降らないのか。
その理を知る時、少年は本当の意味で龍神の想いを知ることになる――――。
秋の章。
とある地の領主の領土内。鎮守の森と呼ばれる、聖域があった。そこには白の神と呼ばれる守人がおり、この地を守護しているという言い伝えが、遠い昔、古の時代からあった――――。
赤や黃、混ざりあった色とりどりの色彩が豊かな季節。秋。
狩りを禁止されているはずの鎮守の森で、罠にかかって弱っている白い毛の狐がいた。従者とともに森の見回りをしていた、この地の若き領主である桂秋は、この地が崇めている森への信仰心から、その珍しい白い狐を罠から逃がしてやるのだった。
春は君に出会い、夏は君に焦がれ、秋は君を憂い、冬は君と――――。
春夏秋冬、四章四話で織りなす、短編集。
※この作品は「カクヨム」さんにて現在連載中の作品です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-25 07:00:00
52098文字
会話率:24%
魔法がある世界。いかに殺傷能力が高いかを魔法師は競い合い、国同士が争い合う世界。
階級は階段式と呼ばれる方式で制定され、1段、2段、3段、4段、5段と分かれている。
主人公の能力は最低位である1段であり、指定した場所に風呂を作る、というもの
だった。
周りにバカにされる主人公だが、本人は至って呑気。
毎日自分が作った風呂に入り、歌を歌う。
しかしそんな主人公を心配するヒロインが攫われてしまい。
[以下のテーマを元に作成]
バリトン
跡形もない
ど真ん中
階段
いい湯だな
書いてる途中で内容変えたため使えてないテーマあり折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-28 15:16:17
4131文字
会話率:50%
ノリと勢いだけで書いている小説。
面白いネタが思い浮かんだら、とりあえず短編として書き出し、放り込んでいる場所です。
時期ネタやテーマありの文章は短編として別に出します。
結構笑いに走った作品が多いですが、本気で連載を考えている作品なんかも
あります。
プロトタイプを作って放り投げて見てもらう感じ?の場所です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-06-27 22:47:35
89820文字
会話率:32%
悪魔の美酒、
副題、カロー風幻想曲の作者によって出版されたカプチン会修道士メダルドウスの手記より。
ウンベルト・エーコの「フーコーの振り子」『薔薇の名前」を愛読したあなた、
シオン修道会やテンプル騎士団について興味のある、あなた、
そ
してダン・ブラウンの「ダヴィンチ・コード」が好きなあなたは、
この、「悪魔の美酒」(『悪魔の霊液』『悪魔の霊酒」とも、訳される)はさぞ気に入ることと思います。
現実の卑近さ、先祖の因果応報、魔女、不倫、姦通、ドッペルゲンガー、殺人、巡礼、棄教、殉死、純愛
おそらく何でもあるというこの潤沢さ、
イギリスゴシックホラーの「マンク」の筋を借用しているとの批判もあるが
内容はこっちのほうがずっと深く、パッショネイトで陰残だ。
この小説は当時としては、破天荒な異常心理小説・犯罪小説であった。
精神分析的な要素あり、性欲の問題あり、異常心理あり、アガペーへの希求と、肉欲の葛藤あり、
近親相姦テーマあり、殺人の心理の深い分析あり、犯罪と贖罪の相克テーマあり、まあ、今でこそこんなテーマの小説はあるにしても、この小説は未だにその、価値を失わないだろう。
メダルドゥスが巌の上からヴィクトリンを突き落として、落下してぐちゃぐちゃにつぶれて死んだときの、あの、殺人者の心理は、そして逃げるメダルドゥスの犯罪者の心理描写はやはり鬼気迫るものがある。
そして誘惑者オイフィーミエの妖しい魅力の描写も魔女的な怖さが描写されている。
メダルドゥスはとっさに毒入りワインを交換して、それをのんだオイフィーミエは悶絶して死んでいく
。
まあ、これは今で言う立派な犯罪小説であろう。罪の意識に怯えるメダルドゥスの苦悩、うなされる悪夢。
その罪をあおるかのような不気味なドッペルゲンガーの出現。そしてローマへの逃亡生活が続くのである。これは、旅行記・遍歴小説でもある。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2010-12-22 11:04:09
4030文字
会話率:6%