時は戦国時代。関東で猛威を揮った鬼が居た。
その名は覇吐(はば)鬼(き)。
その鬼は人と鬼の妖(あやかし)との間に出来た半妖で在りながら父である妖さえも凌ぐ程の力を持つほどであった。
妖と徒党を組み周辺を暴れ回り敵対勢力をつぶす等(
など)して日々を過ごす毎日であった。
しかしその力を揮うのは唯一人の女を守る為だった。
「俺はお前を守りたかった。唯それだけなのに」
その思いは人々には受け入れられなかった。その力に怯えた人たちはその愛した女共々封印した。
時は流れて現代。封印から解かれた覇吐鬼は失った力を取り戻す為人々に溶け込みながら力の回復に努めた。
最初は慣れるのに時間はかかったが徐々に慣れていき日々の生活を楽しんでいた。
楽しい暮らしの中でも心に有るのは一人の女だけだった。
第11回MF文庫j新人賞に応募して落選したのを加筆修正した作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-01-17 21:55:43
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会話率:40%