その男は無力であった。ひ弱で、幾度となく暴力に屈してきた。理屈で勝っても、勉学で勝っても、収入で、人生の幸福でいくら勝っていても。
あの日、暴力に心が、肉体がくじけた記憶が己を敗者だと告げるのだ。
勝ちたい、あいつらに、まだ見ぬ奴らに
、誰にも負けたくない――弱いというただその事実が悔しいから。
そんな思いを抱えながら……男は死んだ
そして男は、気づくと異世界に居た。醜悪な怪物、ゴブリンの姿で。
今度は、ああはなりたくないと思った。
勝ちたい、誰にも負けたくない、今度は一点の曇りもなく、自分を勝者だと信じたい。
そのために必要な暴力を極めて――この拳で、最強になる。
それが第二の人生をゴブリンとして送ることになった男の願いであった。
これは――ゴブリンとして異世界に転生した男が、その拳で、闘争によって、己を地上最強であると証明してゆく物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-16 21:00:00
77605文字
会話率:28%
かつて銀河を危機から救い、宇宙の英雄と呼ばれた、美貌の女海賊がいた。その名は「蒼翼のライ」。数年前、忽然と姿を消した彼女は、争いの無い普通の生活に憧れて、経歴を抹消し「ラライ・フィオロン」として新しい人生を歩み始めていた。が。経歴を抹消しす
ぎて、就職も出来ず、逮捕されたり、陰謀に巻き込まれたりして、結局普通じゃない生活を送る毎日に・・・。
心機一転。新しい身分証明書を手に入れて、今度こそ、と、宇宙旅行会社のツアー添乗員になった彼女だったが、いきなりツアーをジャックされてしまい、またまた事件に巻き込まれる。会社に流れる不穏な空気。周到に計画された陰謀。窮地に追い込まれたラライは、身も心もボロボロになりながらも、女の意地と友情を信じて、巨大な悪に立ち向かってゆく。
今回はちょっぴりハードボイルドに展開。コメディ・シリアス・アクション・ラブコメ要素も。
プレーン(巨大ロボット)の操縦と、銃の腕前は天才レベル、でも、格闘能力はモブキャラ以下。性格はちょっと難あり、純情で泣き虫だけど、立ち直りの早さと度胸は満点。元女海賊ラライの新しい冒険が始まる。
「蒼翼のライ」シリーズ、エピソード2です。2とは言っても、話は独立完結しています。前作ネタバレも最小限になってますので、前作を読んでいなくてもОKです。でも、読んでいるとニヤリな個所もあるので、ぜひ前作「蒼翼のライ~美貌の元宇宙海賊は、就職が出来ない~」も、よろしくお願いします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-11 01:03:43
172202文字
会話率:28%