悪魔という最悪の存在の神に君臨する、大悪魔サタンという怪物を知っているだろうか。恐らくは大半の人間が脳に刻み込んでいる邪悪な名だろう。しかし、実は大悪魔サタンとは初めから悪魔だったわけではないのだ。
もともとは天使。
初めから悪になっ
たのではなく、善を噛み締めて生きていた。
これは、大悪魔サタンという魔王が生まれる過程を描く物語。悪魔の神様が誕生した理由が明らかになる、悲劇の物語なのだ。
天界軍総本部の西方軍元帥、ダーズ・デビス・クロア。天使の彼は自分たち『天使』という歪んだ正義に怒りを覚えながら日々を生きていた。魔物を討伐し、罪人を殺し、ただ上から転がってくる狂った判断に従う毎日。
そんな時。
長い銀髪を輝かせて、水晶のような銀の瞳を持つ、幼い女の子と出会った。天使の子と思っていた彼女は、『邪鬼魔躙』という伝説の『天が体を与え地が命をさずけた』という、天使ではない最悪の存在だった。
クロアは彼女を『サタン』と名づけて、流れで育てることになってしまう。しかし、サタンを危険と判断した天界全ての天使たちとの戦争が始まる。
これは、本当の光を求めて立ち向かった天使たちの物語。悪魔という存在が誕生する前の、天使という正義の中で起こった反乱者の生き様である。
大悪魔サタン。
幼かった彼女は、一体、何を見て何を知り何を思って悪へと堕ちたのだろうか。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-07-12 03:34:27
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会話率:34%