中学二年生の春休みを目前としたある日、仲の良い女友達に告白した奏太は見事にフラれ、意気消沈した。優秀な姉や友達と自分を比べ惨めになって、現実逃避をしたくなりながら迎えた春休み。かわいい女の子(灯)と知り合えて、一緒に受験勉強することになるも
、どうせ自分なんてという僻みから、灯に頭良いんだねとか言われても素直に喜べなくて卑屈な態度を取ってしまい、奏太は心底自分が嫌になった。でも、そんな奏太に灯は親近感を覚えたのか、自分が親族から落ちこぼれ扱いされているという打ち明け話をし、そんな現実から逃げ出したいと愚痴をこぼす。灯の愚痴を聞きながら、ただの愚痴だと思って何も考えずに、彼女のこのまま一緒にどこかに行かないかという提案に気軽に良いよと答えてしまった奏太は、気が付くと全然知らない場所に連れてこられてしまっていたのだった。そこで知った自分を取り巻く現実。よく知っていると思っていた母や友達のことを自分は本当は何も知らなかったんだと痛感した奏太は、自分の事ばかり考えて逃げてないで、ちゃんと傍にいる人達と向き合える自分に成長しようと決意するのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-05-28 00:31:10
99161文字
会話率:60%
大学受験を失敗した浩太がストリートパフォーマーになる為イタリアに飛んで一年以上の時が過ぎ。その間、花月と浩太は顔を合わせることもなくただ連絡を取り合うだけの超遠距離恋愛を続けていた。お互いにお互いが二人の夢の実現の為に頑張っていると信じる毎
日。順調に実績を重ね、着実に思い描いた未来に近づいていると確信し喜ぶ浩太とは裏腹に、花月は未来に不安を抱き思い悩んでいた。
心の中で浩太に助けを求めながらも、花月は今まで通りができない自分を彼に知られたくないと、素直になれず。不安を抱え込み、落ち込んでいく。そんな花月の様子を案じたサクラハイムの仲間達に助けられ、支えられ、花月は今まで気が付かなかったものに気付き、改めて自分自身について見つめ直し、自分が望む未来がどんなものなのか考え、自分が歩いていく道を選ぶのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-01-29 00:16:55
146805文字
会話率:66%
無事全五室が入居者で埋まり、正式にシェアハウスとして運営が開始したサクラハイム。住人達の同居生活も二年目を迎え、それぞれの関係にも変化が現れる。浩太の花月に対する片想いはいつの間にか両想いに変化していたが、花月の無自覚や浩太のヘタレから関係
は変わらず、二人は変わらない日常を過ごしていた。一方、花月に想いを寄せる一臣と遙はそんな二人の様子を間近で見ながら、自分の感情と目の前の現実にどう折り合いを付ければいいのか悩み、自分の気持ちの持っていき場所を模索していた。管理人の和実に恋する湊人は、彼女の普段の様子から自分は彼女にとって弟みたいな存在なんだろうなと認識し、近すぎる彼女との距離に苦しみ。その裏で和実は、湊人に惹かれつつも過去の恋愛経験から彼と関係を深めることに踏み出せず、自分の想いからも彼の想いからも目を背け、ごまかし続けていた。自分がバイセクシャルということに気付かれてしまうのではないかという恐怖から舞台に立つことに消極的だった光は、去年、健人に自分の秘密を打ち明けることでその恐怖を克服し、引退公演の舞台に堂々と立つ覚悟を決めたはずだった。しかし、いつまでもジュリエットを思いっきり演じることへの抵抗感が拭えず、その抵抗感を克服するために、遙の協力の下女装して生活を始める。女装生活中に出会った男性に惹かれ、そのことに思い悩む事になった光は、彼との交流を経て、自分がそういう性質を持っているということを自分自身がちゃんと受け入れることを決心し、前向きに生きていく事を決めた。それぞれの恋愛事情が動き出す、サクラハイムの二年目を綴った物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-09-02 09:26:54
288786文字
会話率:73%