17世紀末、イタリアの巨匠コレッリは、完璧な音楽を求めて孤独な闘いを続けていた。その半世紀後、ドイツの教会で若きバッハは、新しい音楽の可能性に心を震わせていた。
二人は決して出会うことはなかった。しかし、その魂は音楽という永遠の言葉を通
じて、確かに響き合っていた。
喜びと苦悩、愛と祈り、そして音楽への果てしない情熱。バロック音楽の二大巨匠の心の軌跡を、史実に基づきながら深い洞察で描き出す魂の物語。
「真実の音楽とは何か」。その永遠の問いに、二人の作曲家は生涯をかけて答えを求め続けた。そして今、時を超えて紡がれる魂の対話が始まる―。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-06 08:10:00
8508文字
会話率:35%
コレッリ王国宰相の娘である公爵令嬢アマーリアは、婚約者である王太子から平凡でつまらない、と酷評されるなか愚鈍な彼の分も政務を担って来た。
真実の愛を求める王太子同様、国王もまた真実の愛を求める愚者で、そのために有能な王妃を排除し、
アマーリアの負担が更に増えた頃、王太子が真実の愛を見つけるために夜会を開くと言い出す。
やってられない、と内心で怒り心頭のアマーリアだったが『なあに、そこでアマーリアが真実の愛を見つけることだってあるだろう。そうなれば僕は潔く婚約を解消するし、その相手との婚姻を必ず結べるようにはからおう』と言われ、そそくさと証文作成に勤しむ。
有能でありながら愚鈍な王太子に貶され続けた公爵令嬢が、愚王によって妨害された婚約者と、再び手を取り合うお話。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-09 11:00:00
6212文字
会話率:37%