VRMMORPG「ヒマラ・オンライン」のフィールドは、そのタイトル名ともなっている霊峰ヒマラ山を中心に、十二のエリアが円状に配置されている。
その十二のエリアにはいわゆる十二支があてがわれており、一番から順にネの国、ウシの国、トラの国…
…というように名付けられ、それぞれの動物にちなんだエリア設定がなされている。
例えばネの国のエリアではプレイヤーの敵として出現するエネミーの多くがネズミ型のモンスターとして設定されており、エリア内の環境も平原や地下水道といったネズミの生息しやすいフィールドが多くを占めている。そのようなかたちに沿って、それぞれのエリアの特色が定められているのだ。
さて、ヒマラ・オンラインでは探検や戦闘だけではなく、クラフトとよばれる生産や商売、経営に関するコンテンツも用意されている。そして、それらクラフト勢、クラフターたちに用意されたコンテンツの中で大きなものに、国像の修復、と呼ばれるものがある。
これは、各エリアに存在する国の象徴である巨像を、多くのプレイヤーが資材や技術を持ち寄ることで修復してゆくというものだ。修復による貢献度に従って報酬が与えられ、完全修復が叶った暁には、たとえ1ポイントであっても貢献度を持つプレイヤーすべてに膨大な報酬が分配されるとされている。が、サービスが開始されて二年、いまだ国像の完全修復に至った国は一国もない。
これは、巨像修復に関わるそれぞれの国のプレイヤーたちを描いた物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-01 00:00:00
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会話率:16%