令和から戦国時代に転生した男は本栖湖のほとりで零細の地侍、本栖渡辺氏の末子として伸び伸びと育った。年の離れた兄貴は立派な当主として頑張っていて、甥っ子もふたり生まれているので男は武士階級に縛られることなく自由に百姓となること、いわゆる帰農が
許された。男が日々の暮らしの改善に努めている間も甲斐国は風雲急を告げ、織田や徳川から攻められて窮地に陥る。だが、賢い兄貴は徳川氏の調略に乗り、武田家を離れることで甲州征伐の難を逃れることに成功した。男はその歴史通りな展開に安堵し、このまま徳川氏の下で天下泰平の時代まで「ちょっと裕福な百姓」としてやっていけるものと期待したが織田信長や徳川家康や明智光秀など戦国に燦然と輝く武将らが実家に押し寄せてきたことに困惑する。いやまさか、これも史実通りなんて知らんし。オレが戦国で作った酒と肴で信長を持て成せって?本当に?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-30 12:00:00
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