十五世紀。中世も終わりの兆しを見せるこの時代、度重なる十字軍派遣により欧州各国はその国力を弱めつつあった。
また、食生活において当時の人々は肉を保存するため、塩漬けにしていたが、それはお世辞にも美味いと言えるものではなかった。水分が抜
けカチカチになった肉は日にちも経てば変色し、そして腐る。
そんな中、東地中海のカイロ、アレクサンドリアといった都市を持つマムルーク朝エジプトは、東の紅海を抜けインドと貿易をしていた。
そこで取引された胡椒などの香辛料は肉の味を落とさずに保存できる、最高の保存料として欧州で重宝された。
当時胡椒と銀は同量で取引されるほど、香辛料は高価なものだった。
そして残念ながらそれらは温暖湿潤の気候でしか育たず、欧州では輸入に頼るしかなかった。
当時の欧州各国は敵対するマムルーク朝を抜けてインドに到達することは不可能であった。そのため、エジプトに近いジェノヴァやヴェネツィアの商人たちがエジプトとの胡椒の取引を独占した。世に言うレバント貿易である。
同時期、欧州西端のイベリア半島では国内のイスラム勢力を排除してキリスト教国家の復権を目指す国土回復運動、いわゆるレコンキスタが、いよいよ終わりを迎えようとしていた。
イスパニアに先駆けてレコンキスタを完了させた小国ポルトガルでは、バルトロメウ・ディアスの喜望峰到達により、アフリカ大陸を南下して東進インドに向かう、東回り航路で胡椒を手に入れようと躍起になっていた。
「大航海時代」の幕開けである。
さて、歴史における大航海時代とはまさにその通りなのだが、ここはそれとは違う舞台。
馴染みの国名、人名、出来事もパズルのようにずれている。
欧州西端の国、イスパニア。ここに一人の少女がいた。公爵令嬢の彼女は身分も身なりもしっかりして、英才教育により高い教養も身につけている。まさに才色兼備である。ただ一つ、いささか性格に難があることを除けば。
話は冒頭のレコンキスタをめぐって、彼女にスポットを当てて始まる。
これはそんな世界の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-16 18:10:27
118786文字
会話率:59%
ナマステー!
わたしカンデルもうしますよー。ネパールからドンブラコドンブラコ来ましたよ!
「だけれど僕は桃太郎じゃない」の人物紹介作ったよー、仕事はやーいよー!
章ごとに更新されてる作りですからねー、まだの人はネタバレですよ。
本編は(
裏)を読まなくてもわかる作り、ほろやさぁんの追憶体験できる作りですよ
だからねー、そんな(裏)とか「幕間」とか飛ばし読みするクロートさん向けにねー
(裏)もまとめておくですよー!
そしてねー
スピンオフ拾ってそれも載せますからねー!
カンデルすごいよねー!
※人物紹介
長期にわたる連載でしたので各章ごとに人物紹介を作っておりましたが、んま、ほぼリアルタイム読者向けの覚え書き
裏話や設定的なものが混ざっておりますので、読後の口直し程度にご賞味ください
※それ以降
は、本編から裏など(主人公視点以外)を摘出したものです
「あいつだけを楽しみたい!」というコアなファン向けです
※スピンオフ
当然ですが本編で出てきておりません
あと1話、ミスミ・スピンを書いたら閉じる予定です!
(※閉じました2021年11月9日、現在
もし「アイツのスピンが読みたい!」だとか「こういうヤツが読みたい!」だとかの要望があったら追記アップするかもしれませんwww)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-09 22:55:19
241084文字
会話率:23%