鬱蒼とした其の森は、「魔物の棲む森」と呼ばれていた。そこに棲んでいたのは、一人の魔女。かつて恋人に裏切られ、心に深い傷を負った彼女は、魔法を使って意地悪ばかりしていた。
そこへ、一組の恋人達が現れる。魔女は幸せそうな彼らに憤り、残酷な呪いを
詠う。女は人の姿を失い、男は恐怖に逃げ出す。
殺戮する彼女。
後悔する彼。
自責する魔女。
彼女は森で殺戮の魔物と化し、彼は彼女の元へと走り、魔女は湖のほとりに立つ―
そして、そこに何が残されるのか。
これは、遠い国の、哀しい愛の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-10-13 00:01:50
25948文字
会話率:32%