俺は児童養護施設で暮らしている。物心つく前から両親は他界し、親戚には連絡がつかなかった。小学校、中学校、高校共に友達ができてもすぐに転校し、虐められているわけではないがクラスに馴染めることもない。というより本能的に避けられている。高校受験も
乗っていた電車が脱線。仕方なく目標の高校を偏差値を下げて変えた。入学後小学校、中学校であったことを誰かに言いふらされており不吉者と陰口で言われていた。
なぜだろうか?自分にも起こりうることではないか。俺は受け止めているぞ。
そんな風に日々思っていたある日、通り魔にあっさり刺された。でも痛みは不思議と感じない。だがこのとき人生で初めて怒りというのが湧き上がってきたので身体から刺さっているナイフを引き抜き、相手に刺し返した。ざまあみろ。そして死んだ。
「あら、久しぶりね。またあれが起きてくるのね。また頼むわ。」
そして真っ白い空間にモヤのある女の人と俺だけがいた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-02 20:22:44
40914文字
会話率:49%