夏休みの暑い日に、高校生の光一と小学生の遼一が母親の生まれ故郷へとやってきた。そこはとても山深い田舎の村で、光一は夏が来るたびに幼い頃から何度も訪れている村だった。
村の高台には鎮守の祠があり、五百年ほど前に村を治めていた篠田一族が奉られ
ている。名を玉姫神社といった。
二人は村に到着すると一番にその祠にお参りに行ったのだが、その道々遼一は一緒に山道を歩く人の姿を見かけたと言う。光一には誰の姿も見えなかったのだが、遼一の話を聞いて自分も遼一くらいの年頃には見えたことがあったことを思い出していた。
光一には幾つかの失われた記憶があった。とぎれとぎれには思い出すのだが、もうひとつはっきりしなかった。ただそれらは全てが幼い頃の記憶であり、この村での出来事ばかりであることは分かっていた。
村には幼なじみのような付き合いをしてきた中学生、鏡子が住んでいる。小学生の頃には村に来るたびに鏡子と二人で山の中を駆け回り遊んでいたのだが、光一の曖昧な記憶はその頃の想い出が殆どだった。
村の夜は早い。日が沈むとすぐに森の中は深い闇に包まれる。すると、その闇には様々な魑魅魍魎(ちみもうりょう)と沢山の記憶たちが寄ってくる。夜がふけると幾つかの記憶を持って光一たちを迎えに来る。
鎮守の裏手にある断崖から、真っ逆さまに落ちていった幼い日の記憶。夜の清流に飛び交うホタルのイルミネーション。森の中で会った妖怪堂々巡りなど、今回の夏休みは今までとは違い、子供の頃に鏡子と遊んだ鎮守の森に、忘れていた記憶が次々とよみがえってくる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-06-16 13:35:16
81481文字
会話率:27%
お題「すずらん」に寄せて書いたもの。
懐かしい花の香に、幼い日の記憶をたどりながら、男はその家に踏み込んだ。
最終更新:2011-05-14 10:00:00
1261文字
会話率:15%
candy store 第二回・テーマ:「キャンディ(飴/ドロップ)」
幼い頃住んでいた場所に戻ってきた転校生。幼い日の記憶に思いを馳せる。
最終更新:2011-04-24 12:00:00
3970文字
会話率:48%
ちよこれいとがすきだった。
幼い日の記憶。今につながる甘い思い出。
最終更新:2010-10-14 23:50:14
233文字
会話率:20%
幼い日の記憶、幼なじみの心ない言葉に傷付いたエミー。それから五年間閉ざした心の中で平穏を得ながらも苦しみ続けていた、そんな彼女に転機が訪れる。
見守る者が見続けた記憶が密やかに語る恋の物語。
恋樹シリーズ第一弾!(になる予定です)
最終更新:2010-07-02 23:54:46
4084文字
会話率:6%