遺伝子編集技術が進み、遺伝子組み換えのヒトが作れるようになった社会。
一般的には、治療目的以外での人間の遺伝子組み換えには規制がかかっているが、富裕層の独立自治区スカイ・アイランドでは、住民の多数決により“強化人間”が合法的に作り出される
ようになる。
“普通”の人間の定義が狭くなり、少しでも社会の枠からはみ出してしまう人間は適応障害者として治療を受けさせられる環境の中で、近代的な社会環境に耐えられない若者達、強化人間により職や居場所を奪われた若者達が、「人間が人間らしく生きれる」自然に回帰した社会を求める活動を始めるようになる、急激な発展を続ける社会の中で、そういった若者達の主張は否定され、追い詰められた者達の中からそ“魂解放戦線”なる過激なテロ組織が生まれる。“強化人間”を、「生まれてきてはいけなかった存在」として人工知能搭載機器を使って襲うようになる。
運搬ウェイタードローンや掃除ロボット、自動運転車など、自律思考型の機器が周辺に溢れている文明社会の中で、それらが裏で誰にハッキングされ、自分達を襲ってくるか分からないという状態の中、多くの人々がデジタル機器に不信感を抱き、次々に森の中へ避難するようになる。
スカイ・アイランドに存在する巨大な警備会社「メタシールド」は、重度の脳機能障害をAIで補っている“脳をコンピューターに接続出来る人間”を使い、ハッキングされた自律思考機器によるテロの制圧を試みるが……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-03-21 17:34:12
15741文字
会話率:10%