最低でも一家に一匹、理想は一人に一匹。側に置いておくだけでも色々と便利な存在だし、話し相手にもなってくれる。何よりも側にコイツが居てくれるだけで心が和むんだ。
そんな、みんな大好きな電子ペットこと我が家のサポートAIの白色メイド兎なピー
ターが、ある日、突然、おかしなことを言い出した。
「君のお陰で“仮初”の存在だった私は、ようやく“本物”になれた。感謝している」
訳が分からずに絶句したまま、ただ混乱を深めていくしかない僕と、嬉しさを爆発させて(無表情な兎の顔のままで)ピョンピョン飛んではしゃぎ回っているピーター。
そんな僕とピーターの一人と一匹の間にだけ起きているのだろうとばかり思っていた、この奇妙奇天烈な出来事は、どうやら人類全体の未来に関わるなんて代物だったらしく……。
「君は未来を選択しなければならない。……さあ、どうする?」
どうするって……。
こんなの、どうすりゃいいんだよ……。
※この作品は[夏のホラー2013]への参加作品でした。
※この作品は自分のサイトにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-08-10 10:00:00
34189文字
会話率:47%