気が付くと僕は常世(とこよ)と呼ばれる不可思議な世界に立っていた。
過去の記憶がない。自分が誰かも分からない。
しかし時間が経つにつれて周囲にいる住人たちが「人」でないことだけは分かった。
取り留めもない夢の中にいるようなフワフワとした感
覚が付きまとう。
それでも夢のようであるが故にその世界のすべてが当然のように受け入れられる。
すべてが自明であった頃の夢の話。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-30 21:26:51
7282文字
会話率:20%
――滅びの塔を駆け昇れ、我は黄泉竈食ひの獣なり――
突如として現れたサワリと呼ばれる異形。
自らの魂を武器として、サワリと戦う少年少女の物語。
十年前に起きた第一次大規模飽和流出。
その惨劇の夜は『共食い』と呼ばれる“サワリを喰らうサワ
リ”によって、幕を下ろした。
『共食い』がその後、一体どこに消えたのか……。
両親を、愛する妹を奪った灼熱の力を手に、一人の少年がその事実に立ち向かう時、世界を滅ぼす最初の歯車が回り出す。
その中心にいるのは、少年と、もう一人……。
全てを破壊する為に戦い続ける、殺戮の少女だった。
――黄泉比良の命、千を殺めも分かず――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-10-19 00:00:00
330440文字
会話率:30%