暦が晩冬を示しても、欧州屈指の連峰がもたらす冷気は緩む気配を見せない。
幾重にも無機質に立ち並ぶ相似の建物群を抜けて、大学寮敷地の北端へ。運営事務所に隣接する煉瓦張りの平屋に身体を滑り込ませる……
とある二人が至った極北の儀式。
最終更新:2020-02-23 20:00:18
6335文字
会話率:34%
母の葬儀を済ませたあと、娘である郁美(いくみ)と、叔父の崇(たかし)と伯母の章子(あきこ)が集まっていた。
談笑のあと、母の骨から利発さと向上心をあやかろうとしていた……。
それは骨壺から母の遺骨を取り出し、すり鉢で粉末にしたあと、白湯に溶
かして飲むことだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-03-20 18:49:57
12969文字
会話率:37%
西暦2590年。
わたし達を乗せた移民宇宙船は航海を続ける。
大好きな祖母は船の科学者であり、わたしにとっての先生でもある。
13歳になったわたしは「骨噛み」という遥か昔の風習を知り、「愛」について気付き始める。
(小説投稿サイト「カクヨ
ム」でも公開しております)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-12-21 20:00:00
8009文字
会話率:46%