その子は魔法使いの名家と知られる貴族の家に生まれた。しかしその子には魔法を扱える資質がなく、家庭では冷遇され侮蔑され差別され、世間からも存在を消されてしまった。そして最後の扱いは、森に捨てられるという惨い仕打ちであった。だが、捨てる者がいれ
ば拾う者もいる。本来ならば森の魔物どもに喰われるべき子供は、老いた竜に拾われた。やがて子供は老竜と親子の関係となったが、それも長くは続かず、寿命を悟った竜は自身の力の全てを子供に託してのだった。残された子供は、自由に生きると決めて、未だ見ぬ世界へと歩き出す。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-07-21 00:00:00
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会話率:31%