ミア・カースト17歳。
彼女は天才であり、その若さで大賢者の称号を取得していた。
誰もが将来を嘱望する天才大賢者。
の筈なのだが、彼女はミャウハーゼン家へ奉仕する一メイドとして日々を送っていた。
元々彼女は貧しい家の出で、名門ミャウハーゼ
ン家の令嬢ティアにその才能を見出され、厳しい訓練の末大賢者の称号を得ている。
そのため恩義からティアには頭が上がらず、言われるが儘にメイドの務めを果たしているのだ。
勿論彼女はそんな状況に満足している訳もなく。
ミアは(魔法部門への)部署移動を常に申請し続けていた。
そしてその努力が遂に実を結ぶ――
「ミア。念願の配置換えよ」
「本当ですか!?」
「ええ、今すぐ用意してらっしゃい」
「有難うございます!!」
「旅の用意を」
「へ?」
事は無かった。
「今日から貴方は、メイドから旅の従者へ配置換えよ!」
「えええぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
更に旅は魔法の使用禁止という縛り付き。
大拳者なのに魔法が使えない世直しの旅などヘルモードも同然。
お嬢様の無茶ぶりに付き合わされるミアの苦難の旅が、今始まる。
この物語は少々性格に難のある天才の彼女が、それを超える超常の天才令嬢ティア・ミャウハーゼンに振り回されつつも、拳で世界を無双する物語。
やがて人々は彼女をこう呼ぶようになる。
大拳者と。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-13 23:25:29
77943文字
会話率:24%