とある暴力団組織の組員、東山銀次。彼は期待と高揚の最中にあった。
組に入って六年目にして、初めての昇進の知らせが彼のもとに舞い込んできたのだ。
日々の努力が報われた瞬間。実力は着実に評価され、組長からの信頼も厚かった。たしかな出世ルー
トが、彼の前には開かれていた。
しかし、昇進の儀の途中、組長のベンツを運転していて、彼は思いもよらない不運に巻き込まれることになる。
取り囲む黒服。容赦のない制裁。突き付けられる残酷な真実。絶望の中、辛くも脱出を果たす銀次だが、運命はそれでも過酷に彼を追い詰める。
死を思った瞬間、彼の身体を不思議な光が包む。そして目覚めた彼の前には、見たこともない世界が広がっていた。
異世界に一人迷い込んでしまった哀れなヤクザ。これは、その男の壮絶サバイバルを描いた闘いの記録である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-04-19 00:13:42
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