むせ返るような血の匂いだった。
ユリアは吐き気をこらえて進んだ。王を諫めなくてはならなかった。
それができるのはユリアだけだった。ほかの者が諫言すれば、文字通り首が飛ぶ。王に逆らって命があるのは、王妃であるユリアただ一人だ。それは、王宮内で
はすでに知られた事実だった。
(そんなものが、ほしかったわけではないのに)
──────
※最初から最後まで相思相愛ですが、ヒーローは最終的に闇堕ちします。ヒロインはヒーローを愛するがゆえの苦悩エンドです。メリバ、もしくは箱庭エンド。若干のスプラッタ描写があります。 全5話予定。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-11 20:50:13
32073文字
会話率:15%