僕が幼いころ、父が原因で母が家を出て行ってしまった。その後、父と僕も引っ越し、二人の静かな暮らしが始まるが、言葉を交わすことなく高校生になった僕は突然、父が舌癌で助からないと知る。
ある日僕は、しゃべることのできない父から封筒を預かる。
そこには当時三人で暮らしていた家の鍵と、謎の住所が記されたメモが入っていた。僕はこの場所に行けば母に会えると思い、喜んで会いに行く。だが、再会を果たした母は認知症がすすみ、酷く変貌していた。
そこはかつて、家に居場所のない人や家庭内暴力に苦しんでいる人などを受け入れる施設だった。母は自分の意志でここへ来たが、父の暴力から逃げてきたのではなく、自分が僕のことを殺してしまうのではないかと怯えてのことだったと聞かされる。
僕は自分がずっと勘違いしていたことを知り、父との空白の時間を埋めるために病院から連れ出す。当時暮らしていた家で少しでも長く父と一緒にいられることを願い、未来を想像していく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-10 11:41:20
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44歳でガンの宣告(舌癌)を受けたおっさんのエッセイです。
何度かの治療を受け、今も闘病中です。
舌癌がマイナーであまり情報が見つからないと言うこともあり、
ブログにしようかと思ったのですが、
ガンの治療は人それぞれですし、
私の場合はア
メリカ在住と言うこともあって、
多くの人の役に立つ病院の情報などは発信できませんので、
エッセイという形にさせていただきました。
つたない文章ですが、よろしくお願いします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-17 08:18:18
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