そのテリバリヘルス嬢は、美しくもミステリアスだった。歳は三十の半ばかそれ以上かというところだが色白で奥ゆかしかった。その挙措から、人妻かもしれないと思った。男がこっそりあとをつけていくと、果たして一軒の屋敷に入った。女は車椅子に乗った老人の
面倒をみていた。老人は父か、夫か、愛人か。やがて、女の哀しい過去を知るにつれて、男は女から離れられなくなっていく。老いと若さ、絶望と希望がないまぜとなって、男と女は運命の瀬に流されていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-06 16:19:41
37369文字
会話率:47%