「ねえ。雷神が見えたわ。」
と美佳は言った。
美佳は少し変わった子だった。私が小学校5年生のとき、美佳は私の学校に転校してきた。私の席の隣に座った関係で、私と美佳は仲良くなった。少し鼻ぺちゃで、でも目が大きく、可愛い子だった。美佳は窓際の席
で、授業中にいつも外の景色ばかり見ていた。私には見えないなにかを見ていたような気がする
美佳の風景と対をなす、少女の不思議な体験。雷神に魅せられた少女とのひと時。青春小説です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-03-08 01:44:27
2121文字
会話率:53%
美佳がまわりと違うと思い出したのは幼稚園のときからだった。なぜか周りと歩調が合わなかった。みんなが友達と一緒にままごとをしている時も、美佳は一人で、砂場で城を作ったり、木陰で絵本を読んでいたりした。当然のように、美佳は周りからいじめられた。
周りの子供たちは自分が作った城を壊された。でも、美佳は何も言わず、何回壊されても城を作り直した。自分の大事なものを自分の手で作るように。
周囲から孤立する少女の変遷を描く。どこか、あなたの心と通じるなにかがあるのかもしれない。青春小説です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-03-08 01:26:07
2845文字
会話率:44%