繁栄した大国であるラジアル王国の南にあるゴルシラック伯爵家にベリアル・ゴルシラックという13才の美しい少年がいた。彼は隣の領地に住む幼馴染のルルレット・レーシング子爵令嬢と将来を誓い合っていた。
貴族で13才前後になると受ける[神授の儀式]
でベリアルは(風使い)、ルルレットは非常に珍しい(転生)というスキルを授かった。
ベリアルは、王都で身を立てる為に騎士団に入り、ルルレットと結婚して幸せに暮らそうと頑張っていたのだが、休暇で近くの湖に遊びに行った帰りに王女殿下の我儘に巻き込まれ、ルルレットを山道に一人置き去りにする事態になってしまった。
王女殿下を無事に城に連れ帰り、ルルレットを探しに戻ったがルルレットは盗賊団に連れ去られた後だった。
盗賊達に暴行を受け瀕死の状態のルルレットを助けたが、ルルレットは命を失う前に(転生)のスキルを使って生まれ変わるから、来世で結ばれようと言葉を残し短い生涯を閉じたのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-15 12:00:00
35590文字
会話率:29%
十五歳になると一人に一つずつ、特別なアイテムを神様から貰える『神授の儀』に参加したロイド・アンデールに授けられたものは能力も使い方も謎に包まれ、今まで誰一人として使いこなせたものはいない――悪い意味で計測不能という『不明』ランクの『漆黒の
板』だった。
過去の大賢者が使用していたためランクでは測りきれない、という良い意味での『不明』ランクである『大賢者の魔導書』を授かった幼馴染のアミリーとの差に絶望したロイドは、昔から思い描いていた『アミリーと一緒に冒険者になる』という夢も諦めざるを得なくなってしまう。
それから三年後――。
ロイドはCランクパーティーの荷物持ち兼雑用係という、底辺冒険者として生きていた。
儀式のときに言われていた通り、『漆黒の板』は何の役にも立たないゴミアイテムのままで変わらず、『不明』という言葉はいつの間にかロイドを指す蔑称として定着してしまい、誰からも軽んじられる日々。
そんなうだつの上がらない無為な日々を送るロイドに転機が訪れることになる。
ある日、所属するパーティーが身の丈に合わない依頼に軽い気持ちで挑戦するもののあえなく失敗、ロイドは逃げる時間を稼ぐ囮として一人その場に取り残されてしまう。
目の前に迫る、遥か格上のモンスター。ロイドが絶望に沈んだその時――
奇跡的に条件を満たした『漆黒の板』が遂に力を取り戻した。
『漆黒の板《タブレット》』に住む『IDE《アイディ》』の言われるがまま『プログラミング』を実行すると、ロイドは遥か格上のAランクモンスターを一撃で倒してしまう。
ついに明らかになった『不明』の力。
この時を境に、ロイドの人生は一変していくことになる。
神授の儀式のときに聞こえた、あの言葉。
『まあもし万が一、俺様を『起動』出来たなら――
そん時は俺様がお前を『最強』にしてやるからよ』
その約束を果たさんと、運命の歯車は急速に回り始めるのだった――!
異世界成り上がり冒険譚と、ほんのちょっとプログラミングの基礎も分かるようになる(かもしれない)一粒で二度美味しい痛快ストーリー!
※カクヨムでも連載しています
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-09 18:25:26
855文字
会話率:6%