「君の査定は最低に変更せざるを得ない」
社長の太鼓持ちをやっている部長から、今年度の給料が減額され、ボーナスまでカットされた。
ふざけんな!
失態を犯したのは社長の息子だろうが!
他人のミスの所為でどうして私だけ給料が減額さ
れ、ボーナスがカットされなきゃならない!
「もう辞めよう。ようやく世の中の仕組みが分かった……」
会社が下したあまりの仕打ちに絶望し、無意識で退職を呟いた私の独り言にある女性が反応した。
三カ月前に転職してきた彼女は、極端な猫背にマスク姿、クセのある黒縁の眼鏡を掛けた変わり者だ。
その彼女がゆっくりではあるがハッキリとした口調で私に聞いてきたのだ。
「彼らに復讐する気はありませんか?」
※作中に登場する名称は全てフィクションです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-21 06:32:59
16136文字
会話率:39%