ゴーレムと人間を繋ぐ運命の力。
これは、伝説のゴーレムと運命の誓いをしたある少年の話。
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「誰か……誰か! 助けてっ!」
助けは来ないことを、リンは疾うに知っていた。
山の麓から響いていた悲鳴は、もう聞
こえない。
サオリに民はもう残っていないのだろう。
全員が息絶えたのか、それとも運よく逃げ切れた者がいるのかはわからないけれど。
そもそも、ゴーレムに対抗できるような力を持っているのは、リンたちの血筋だけだ。
「ゴーレム様は人間を守ってくれるんじゃなかったのかよ……!」
奇しくも今日聞いたばかりの昔語りが、頭にこびりついていた。
人間を守ってくれるはずのゴーレムに、攻撃されている。
感嘆には受け入れられないその状況は、事実としてリンの目の前にある。
「姉ちゃん、リナ……」
リンの目から大粒の涙が溢れ出した。
ランとリンの年が七つも離れていたこともあって、リンには「男なのだから姉と妹を守らなくてはならない」という意識が希薄だった。
リナと一緒に、いつもランに守られていたからだ。
孤軍奮闘しなければならない状況になってはじめて、リンは自分の無力さを痛感した。
「頼む……頼むよ。動いて……俺を助けてくれッ!」
リンは残る力を振り絞った。
体中の血が沸騰しているかのように、全身がカッと熱くなる。
文字通り、全身全霊で挑んだリンに応えるように、リンを中心として円を描くように周囲の地面が突如として発光した。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-25 20:16:13
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