薔薇の花弁が、甘く薫る宵。
花嫁探しの夜会を抜けて、空気の美味しさに安堵したのも束の間。
それは闇に、紅く光る眼――――。
身も凍るような美貌の主は、少女の手をとって告げた。
「今回のパーティの趣旨を知った上で、出ているんだろうな……?
」
「……さ、さぁ?……」(遠くを見つめる)
これは逃れられぬ災厄=魔王の目に留まってしまった不運な少女――――と、少女をこよなく愛する“薔薇”“百合”の本心が明るみになるまでの一幕である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-10-19 22:42:11
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会話率:17%