洋食屋の一人娘である葛篭 彩(つづら あや)は、学校帰りの電車の中で、なりふり構わず活字を貪る少年に出くわす。本を読み終わってしまったという彼に、彩は電車を降りるまでの間だけ、料理の本を貸した。
翌日。本好きの友人である指宿 恵里(いぶすき
えり)の話で、昨日の少年が文芸部の部員で行成 清三郎(ゆきなり せいざぶろう)という名前であると教えられる。
恵里のお膳立てにより、昼時の文芸部室で彩は清三郎と再会。これまた恵里が口をすべらせたせいで、彩の家が洋食屋と知られてしまい、料理好きの彼に「後学のために店にお伺いしても?」と頼まれて、渋々了承するはめに。
清三郎と文芸部の面々が自宅の洋食店にやってくる日まで、特訓を重ねる彩。なぜなら、彼女は『料理好きの人』に対して、どうしても知られたくない秘密があったからだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-06-27 22:44:34
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