「――くっ、殺せ!」
女騎士を下したオークの戦士オーマイガは思う。
(またか……)
女騎士と戦い追い詰めるといつもこうだ。襲われるから撃退しているだけで、別に命なんて欲しくない。
とりあえず金になる物をもらおうとすると、女騎士
は騒ぎ出す。これもいつものことだ。
「や、やめろぉ! 私を手込めにする気か!?」
うんざりしつつも鎧を回収するため、女騎士のとめ具に手をかけるオーマイガ。そして、顔を紅潮させ身もだえる女騎士。
そんなやり取りをしている時――
◆
――がさっ
草むらから小柄な少年が現れた。
「「「あっ……」」」
気まずい沈黙。オーマイガは、面倒ながらも少年にこん棒を振りかぶった。
そして少年――ネルは叫ぶ。
「待ってください! 僕はあなたの味方です! “取引”をしませんか!?」
ネルは“くっころ”をこよなく愛する者――“くっころ”商会の会長だった。
オーマイガはネルから、“くっころ”を集めた夢の島――“くっころ島”を作るための、ある取引を持ち掛けられる。
――これは、“くっころ”をこよなく愛する紳士淑女の諸君に向けた、ハートフル“くっころ”ストーリーとなります。
※不定期投稿となります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-29 09:05:31
73828文字
会話率:51%