貞享二年。人里離れた山中にある庵にて、大きな決心をした女がいた。
女の名は“岩戸 椿”。代々続く陰陽師の末裔であるが、時代の流れに姿を消そうとしており、彼女もまた父親が他界するとすぐ、仕えていた屋敷から暇を言い渡されてしまう。
――鴉を追
え
今際の際に遺した父の言葉。
新天地でやり直そうと決めた椿は、鴉が鳴く西の方角――大坂に向かって歩を進め始める。
※大体は史実に合わせていますが、所々独自解釈な箇所もあります折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-05-24 11:35:25
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会話率:33%