「江田島ぁっ!」
――組長の仇討ちに、失敗したヤクザ達。
絶望の闇の中にまどろむ彼等の魂に響く、美しき女の声。
その声は、助けを求めていた――
彼等は願った。あの男が転生するならば、もう一度、仇を討ちたいと。
「――ですから、あ
なたしかいないの……」
「だから、知らねえよ。
お前の世界なんか、どうなったって知ら――」
『――私があなたの奴隷になれば、世界を救って頂けますか?』
「へ?」
口は悪いが心は熱く、情には脆いが義理には堅い。その名、二本木修二。享年二十八歳。
あんな馬鹿さえやらなければ、日本一の大親分になるはずだった侠《おとこ》が――
「おひかえなすって」
――仇を追って転生した世界は――
「手前、生国はナルナーク領モルデーヌです。姓名の儀声高に発しまするは失礼。姓はベッテンコート、名はピースと申す、しがない駆け出し者にござんす」
――剣と魔法の、まさに仁義なき世界――
「不肖、ピース・ベッテンコート……
若輩ではございますが、只今より、神威理真流、宗家を名乗らせて頂きます!」
――二度目の人生で、彼は仁義を貫く事が出来るのか……
俺は、剣士じゃねえ。
魔王のタマぁ《命》取りに来た――
「……極道なんですよ」
――今、誰も見たことの無い異世界任侠伝が、ここに始まる。
【毎週土曜日、午後一時、更新】。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-04-09 17:23:42
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