「だから、笑って────」
高校一年生の6月、ちょうど梅雨に差し掛かった時期。
連日続きの雨の日、雨田 健人は、ある少女────雨宮 雫に出会う。
「助けて」
糸のような細く途切れそうなその声に、健人は気づいたら彼女の手を握っていた。
映画館に行き、水族館に行き、同じ食卓でご飯を食べ、次第に2人の距離は縮まっていったある日。
彼女は突如、姿を消した。
彼女の特異体質は、『雨天の時にしか姿を認識できない』特異体質だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-11 14:00:27
1412文字
会話率:8%
こちらは今日、梅雨の晴れ間でした。陽射しは心を軽くします。
最終更新:2022-06-13 18:47:18
222文字
会話率:0%
「七夕までには、わたしは死んじゃうんだってさ」
「……そっか」
死にかけの幼馴染の少女と中学生の私は、病室で最期の時間を過ごす。
けれどそこにはいつの間にか、梅雨の湿っぽさなんて残ってはいなくて。
遠慮も涙も、二人の間にはもういらなかった
。
だから、私が思い出すのはあの子の笑顔だけなのだ。思わず笑ってしまうぐらいに。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-12 14:41:17
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会話率:33%