「お前は、溶け込んで消えてしまいそうだった」
高校二年、春。
カメラ好きで、趣味でよく風景写真を撮る主人公、羽澄成瀬(はすみなるせ)はいつも通り、昼休みに空を撮るために、北棟の旧校舎、誰も使わない屋上へと足を踏み入れる。
しかしそこには、独
り泣いている同級生、柳井京子(やないきょうこ)の姿が。
あまりにも綺麗なその姿形に見とれてしまった成瀬は、本能のままにその姿を写真に収めてしまう。
それに気づいた京子は、ドSを演じ、写真を消させない代わりに、ある交渉を持ち掛けた。
そこから成瀬と京子の日常は、沢山有り得ない方向に間違いそうになりながら、徐々に加速していく。
壁にひたすらぶつかりながらも、なりたくもない大人に一歩一歩歩を進める二人。
「先のことはわからないけど、きっと光が照らしてくれてると思うんだ」
交錯して、迷って、戻って、ぶつかって。
そんな、沢山の青春の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-24 23:26:35
5671文字
会話率:34%